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歯周病コラム

歯周病の原因

歯周病の原因はプラーク

歯周病の原因はプラーク(歯垢)です。

プラークとは歯に付着している粘着性の沈着物で、
非常に多くの細菌とその産生物から構成されています。

上記の通り、歯周病の原因はプラーク(歯垢)ですが、
以下の要因も歯周病の進行に影響をあたえます。

喫煙

タバコは、がん、呼吸器、心臓などのさまざまな病気と関連していますが、
歯周病との関連についても以下のことがわかっています。

1.タバコを吸う人は吸わない人に比べて 2.5 倍~ 6.0 倍歯周病にかかりやすくなる
(アメリカ歯周病学会 position paper, 2005より )
2.タバコを吸う人は吸わない人に比べて 歯周病治療後の治癒が遅い。
( Grossi ら 1997, Kinane ら 1997より )
3.難治性歯周病患者の90 %は喫煙者である。( Johnson , Slach, 2001より )

糖尿病

糖尿病が歯周病を悪化させるとともに、
歯周病も糖尿病を悪化させるという、相互の影響が指摘されています。
歯周病の治療をすることで糖尿病患者における血糖コントロールが改善されたという報告もされています。

Taylor (2001) は 医学文献のデータベース( MEDLINE )から
1960年以降の研究を分析し、以下の結果を得ました。

1.ほとんどの研究において、
健康な人に比べ糖尿病患者では歯周病患者の割合がより高く、歯周病がより進行していた。
2.歯周病による感染は、血糖値のコントロールにマイナスの影響を与えていた。
3.上記2つの経過観察研究では、重症の歯周病と血糖値のコントロールの双方向の関連性が示された。

このように、糖尿病の患者さんは歯周病になりやすく、口腔内を衛生的にすることにより
血糖値をコントロールしやすくなる可能性があるようです。

歯周病の進行に影響をあたえる要因には、
その他に以下のようなものがあることがわかっています。

・遺伝的性質
・社会心理的ストレス
・エイズなどの全身疾患
(アメリカ歯周病学会 position paper, 2005より)

患者様自身が歯周組織を破壊!?

歯周病の進行の過程において、実は細菌の刺激により
歯周病患者様自身が歯周組織を破壊します。

歯周病菌の刺激により、宿主の免疫細胞はサイトカインと呼ばれる情報伝達物質を産生します。
このサイトカインが歯肉組織や骨組織を破壊する酵素の分泌を促し、歯周病が進行していきます。

「歯周病」は細菌に汚染された歯を体から追い出す宿主の防御反応の過程なのです。

逆に、細菌に汚染された歯を清潔にすることで歯周病を予防したり、
進行を止めることができます。

健康な歯ぐき

歯周病の原因はプラーク

健康な歯ぐきは、うすいピンク色で歯間部では三角形をしています。 

歯は歯肉とその下にある骨によって支えられています。
健康な状態では、歯肉は歯にしっかりと付着して、
歯と歯肉の境目の溝(歯肉溝)は浅い状態です。

現在、健康な歯ぐきであるあなた様は
前述の「どうしたら歯が残せるのでしょうか?」のとおり、
定期的な歯科医院でのメンテナンス、歯石取り、そして日頃の歯磨きで現在の状態を維持されてください。

ぜひ、以下の箇所もご覧ください。

歯周病の予防には歯みがきと定期検診が非常に重要です!

歯肉炎(歯周病の初期段階)はプラーク(歯垢)の蓄積によってはじまり、
プラークを除去すると健康な状態に戻ります。

このため徹底的なプラークコントロール、
いわゆる歯みがきによって、歯周病の進行を予防することができます

代表的なプラークコントロールの方法には、
ブラッシング・ 歯間ブラシ・ デンタルフロスがあります。

また、ご自分で奥歯や歯と歯の間にみがき残しがないかを確認するのは非常に困難です。
ぜひ歯科医院で定期検診を受けてください。
定期検診では、歯みがき指導、歯周病・虫歯のチェック、歯石取りなどを行います。

ブラッシング法の種類と選択

ブラッシングの方法には下に紹介する、
バス法、ローリング法、フォーンズ法など、他にもさまざまな方法があります。

どのブラッシング法を選択するかはあまり重要ではなく、
どれか 1 つの方法を決めてその方法に習熟することが大切です。
できれば、歯科医院でプラークの染め出しをして磨き残しの確認をされることをお勧めします。

また、歯と歯の間は歯ブラシだけではきれいにできません。
歯間ブラシかデンタルフロスを使って磨いてください。

バス法

歯ブラシの毛先を45度の角度で歯肉にあてる。
そのまま押し当てながら、歯肉の縁の方に滑らす。
この位置で、歯ブラシを小刻みに(2mm幅くらい)振動させる。
歯ブラシを回転させる。

ローリング法

歯ブラシの側面を歯肉と平行に当てます。
毛先を歯肉に押し当てて、小刻みに振動させながらマッサージします。
上の歯は上から下へ、下の歯は 下から上へ歯ブラシを回転させます。
歯の噛み合う面に毛先を当て、前後に動かします。

フォーンズ法

上下の歯を噛み合わせた状態で、歯ブラシの毛先を歯に当てます。
歯と歯肉の表面を大きな円を描くように奥から前へ、歯ブラシを移動させながら磨きます。
歯の裏や噛み合う面は、歯ブラシの毛先を当てて前後に動かします。

抜歯の判断基準とは?

歯周病治療ではその進行を止めることを目的としますが、
初診時にすでに歯周病が大きく進行していて抜歯せざるを得ない場合もあります。

例えば・・・

・すでに根の先まで歯周病が進行し、 治療をしてもぐらぐらで痛くてかめない状態
・分岐部病変などが大きく進行し、 炎症のコントロールができない状態

のような症状があります。

また歯周病が大きく進行したために、治療をしても
腫れ・排膿を繰り返し炎症のコントロールができない場合にも抜歯を選択することがあります。
炎症のコントロールが難しい例に重度の分岐部病変があります。

口腔内には500種以上の細菌があります

私たちの口の中には、なんと500 種以上の細菌が存在しています。

歯ぐきの健康は全身とも関係しています。
口の中の細菌が体の中に入り込むとさまざまな病気(心臓病、肺炎、糖尿病、早産等)を引き起こすことが知られてきています。

これらを防ぐためにも、まず口の中の衛生状態をよくすることが大切です。

歯周病と動脈硬化・心疾患との関係性は?

アメリカ歯周病学会によると、
歯周病と動脈硬化・心疾患のリスクには関連があることが示唆されています。

医学論文のデータベース( MEDLINE the Cochrane Controlled Trials Register など)から 得られた
31の研究の分析を行った結果、ほとんどの文献が歯周病と動脈硬化の関連を支持していました。

歯周病は、動脈硬化・心筋梗塞・心血管疾患と関連しているだろうと結論付けています。

歯周病と呼吸器疾患との関係性は?

肺炎の原因となる細菌は口の中にも住んでいます。
高齢になるにしたがって飲み込みが悪くなり、 細菌が唾液や食べ物などと一緒に誤って
肺の中に入ることによって発症するのが誤嚥性肺炎 です。

アメリカ歯周病学会(2003) では同様に、
歯周病と呼吸器疾患のリスクの関係についても分析しています。
医学論文のデータベースから得られた21の研究を分析したところ、以下のような結果が得られました。

1.口腔衛生状態を改善する様々な処置により、入院患者の肺炎が40%に減少した。
2.いくつかの研究では歯周病と COPD と呼ばれる呼吸器疾患の関連性が示された。

以上の結果から、
口腔衛生不良と歯周病により起こる呼吸器疾患の原因菌の口腔内での繁殖は、
入院患者の肺炎と関連しているようである
と結論付けています。

 

歯周病と糖尿病との関係性は?

Taylor (2001) によると、歯周病と糖尿病には双方向の関係性があるそうです。
医学文献のデータベース( MEDLINE )から1960年以降の研究を分析し、以下の結果が得られました。

1.ほとんどの研究において、健康な人に比べ糖尿病患者では 歯周病の罹患率がより高く、歯周病がより進行していた。
2.歯周病による感染は、血糖値のコントロールにマイナスの影響を与えていた。
しかし、歯周病の治療によりすべての研究で血糖値のコントロールが改善したわけではない。
3.2つの経過観察研究では、重症の歯周病と血糖値のコントロールの双方向の関連性が示された。

このように、糖尿病の患者さんは歯周病になりやすく、
口腔内を衛生的にすることにより血糖値をコントロールしやすくなる可能性がある
ようです。 

歯周病と早産・低体重児出産の関係性は?

Offenbacher の研究によると、
妊婦の歯周病は早産・ 低体重児出産のリスクを7.5〜7.9倍 にします。

ノースキャロライナ大学病院で妊婦健診に定期的に通院中の妊婦、
あるいは出産後3日以内の産婦を対象にボランティアを募り、124名を対象に調査が行われました。

歯周病は全出産において 7.9 倍(オッズ比)で早産・低体重児出産の有意なリスクとなり、
初産においても 7.5 倍(オッズ比)で有意なリスクとなりました。

これらのデータは、歯周病は早期低体重児出産の原因の1つとなりうることを示しています。

データで検証します

抜歯原因平成17年の8020推進財団の調査の
「永久歯の抜歯原因調査報告書」
によると、
抜歯原因で最も多かったのは 歯周病の( 42% )で、
虫歯( 32% )、その他( 13% )、破折( 11% )、矯正( 1% )の順でした。


 

 

 

下図は年齢階級ごとの抜歯主原因の割合を示したものです。

歯周病による抜歯の割合は
30歳代から50歳代にかけて多くなり

それ以上の年齢階級では、ほぼ一定でした。

虫歯による抜歯の割合は
30 歳前後まで年齢とともに多くなる
傾向にあり、
それ以上の年齢層では概ね同じ割合です。
年齢階級ごとの抜歯主原因の割合

なんと成人の8割は歯周病!

平成16年の 厚生労働省歯科疾患実態調査 によると、
軽度・重度を合わせると 45 ~ 64 歳で約 80%の人が歯周病にかかっています。

歯周病の治療方法

歯周病の治療方法には、以下のような方法があります。

(1)スケーリング 歯石除去

歯にこびりついた歯石を、機械や手用の器具を使って取ってゆきます。
軽度であれば、ほとんど痛みもなく除去できますが、痛みがひどい場合は麻酔を用いる場合もあります。

(2)ルートプレーニング

歯肉の奥深い所に、歯石が付いている場合はルートプレー-ニングを行います。
ルートプレーニングの目的は歯石除去と共にバイオフィルムの破壊です。
バイオフィルムとは歯周病の細菌が手に手を取り合って、バリアを作っている状態ですので、機械的な除去が必ず必要になります。

(3)歯周外科

適切なブラッシング指導によるプラークコントロールと、スケーリングやルートプレーニングなどの処置を行っても、
歯周病の症状に改善が見られないケースでは、外科的な治療で歯周病を改善することがあります。

これを歯周外科と呼びます。

中程度以上に進行した歯周病では、歯周ポケットが深いため、
奥のほうのプラークや歯石を、通常の器具を使って取り除くことが困難になります。

そこで歯肉を切開し、その奥に付着している
プラークや歯石、また炎症をおこしている組織を徹底的に取り除くのが歯周外科です。

手術後は、傷口を特殊なパックで覆って保護します。
「歯周外科手術」の方法も目的も様々ですが、手術をすることによって歯周ポケットは消失して、
歯を支えている骨や歯肉は健康な状態に改善してきます。

(4)再生療法 GTR法

「歯周外科手術」の方法も目的も様々ですが、
手術をすることによって歯周ポケットは消失して、歯を支えている骨や歯肉は健康な状態に改善してきます。
歯周外科の方法の中でも歯槽骨再生をうながす歯周病の手術が再生療法です。

歯周病・歯槽膿漏によって失われた骨を、なんと回復させ、しっかりとした骨組織を作ることが目的となります。
一度失われた歯槽骨の回復が見込めます。
その再生療法の一つはGTR法です。

これは特殊な幕を使って、歯槽骨の再生を促します。
このGTR法は平成20年4月より、健康保険に適応されましたから使用する材料によっては健康保険適用となります 。
詳しくはかかりつけの歯科医院にお問い合わせ下さい。

(5)再生療法 エムドゲイン法

エムドゲイン法は。歯周病・歯槽膿漏によって失われた骨を回復させ、
しっかりとした骨組織を作ることが目的の再生療法のテクニックのひとつですが、
特殊なタンパク質(エムドゲイン)を使って歯槽骨の再生を促します。

エムドゲインは、スウェーデンで開発された歯周組織再生薬です。
エムドゲインの主成分は、エナメルマトリックスデリバティブで、
これは子供のころ歯が生えてくるときに重要な役割をする蛋白質です。

歯科外科手術の際に手術部位に、エムドゲインを塗布することにより、歯の発生過程に似た環境を再現します。
このエムドゲイン法は健康保険適応外となります。日本の厚生労働省の認可は受けています。

(6)再生療法 GEM21S法

GEM21S法は、歯周病・歯槽膿漏によって失われた骨を回復させ、
しっかりとした骨組織を作ることが目的の再生療法のテクニックのひとつですが、
アメリカでは最新の再生療法と呼ばれています。

このGEM21S法は健康保険適応外となりますし、残念ながら日本の厚生労働省の認可は受けていません。
GEM21Sは、骨誘導因子PDGF(血小板由来成長因子)を化学的に作り、
それにβ-TCP(リン酸第三カルシウム)と混ぜ合わせることにより、
β-TCP(リン酸第三カルシウム)を足場として、
PDFG(血小板由来成長因子)が血管を作り、組織・骨を誘導します。

PDGFシリンジ溶液とβ-TCP顆粒を混合して使用します。
データ的にはβ-TCP単独使用の約3倍の骨誘導効果が認められております。

歯周病治療の具体的なゴール

治療の流れの中で述べたように歯周病治療の目的は病気の進行の阻止ですが、
そのための具体的なゴールは以下のようなものです。

1.歯肉の炎症の消失( 歯肉の腫れ・赤み・ ポケット深さ測定時の出血の消失)
2.ポケット深さの減少(4mm以下が望ましい)
3.根分岐部病変の除去

口臭はどうして発生するの?

口の中にいる嫌気性(酸素を嫌う)細菌は、
新陳代謝ではがれた粘膜上皮、血球成分、死んだ細菌などのたんぱく質成分を分解して、
揮発性硫黄化合物( VSC )をつくります。

VSC は硫黄ガスの総称で、
主に硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3種類のガスからなります。

VSC は特有のにおいがありますが、
口臭はこれらのガスが混合したものなので、非常に不快なにおいとなります。

口臭はどうして発生するの?

再評価検査

基本治療終了後、その効果を再評価検査により判定します。
以下の項目により、再評価検査を行います。

1.歯肉の炎症の消退
2.ポケット深さの減少
3.歯の動揺の減少
4.患者さん自身の口腔衛生の改善

再評価検査の結果を元に、その後の治療計画の修正を行います。

誰にでもある生理的口臭について

口臭は起床直後に最も高い値を示します。
夜間唾液の分泌が減り、細菌が増殖して口の中の汚れ成分を分解し、
口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさん作られるからです。

しかし、食事や歯みがきで口の中の細菌は減少し、
刺激によって唾液量が増加すると口臭は弱くなります。

誰にでもこのような生理的口臭はみられますが、
そのにおいの強さは口の中の細菌、汚れ成分、唾液量などにより異なります。

生理的口臭には図のように日内変動がありますが、ゼロになることはありません。

このように、健康な人でも口臭が一時的に強くなることがあります。
誰にでも生理的口臭はあるので、必要以上に神経質になることはありません。

誰にでもある生理的口臭について

歯周病治療後のメインテナンス(定期健診)

歯周病治療後のメインテナンスとは、定期検診のことです。
メインテナンスの目的は、歯周病治療の結果得られた健康な歯周組織の状態を継続して維持することにあります。
患者さん自身による適切なプラークコントロール(口腔衛生)が良好な長期安定には欠かせません。

実際のメインテナンス時には以下のようなことを行います。

1.口腔内診査・再評価(口腔衛生状態・歯肉の炎症・歯周ポケット・虫歯などについて)
2.歯みがき指導・動機付け
3.歯石除去
4.歯面研磨(フッ素塗布)

さらに、歯周病の再発・虫歯などが発見された場合には再治療が必要になります。

治療が必要な病的口臭

口の中の病気、鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気などが口臭と関連していると考えられています。

しかし、病的口臭の90%以上は口の中の汚れや病気が原因で発生します。

口の中の原因としては、歯周病、舌に付着した多量の細菌(舌苔・ぜったい)、唾液分泌の減少、入れ歯の清掃不良、進行した虫歯などがあげられます。

口臭が気になったら、 まずは歯科医院に相談しましょう。


①口腔内の口臭の原因

 ●歯周病   ●舌に付着した細菌(舌苔)

 ●唾液分泌の減少  ●入れ歯の掃除不良


②全身疾患による口臭の原因

 ●副鼻腔炎  ●扁桃腺炎  ●気管支拡張症

 ●糖尿病  ●尿毒症  ●肝臓・腎臓疾患

口臭発生の原因となる舌苔(ぜったい)とは?

鏡に向かって舌を出してみると、
白色や淡黄色の苔のようなものがついているのに気付いたことはありませんか?

これは舌苔といい、細菌や新陳代謝ではがれた粘膜上皮などからできています。

舌苔は嫌気性細菌により分解されると、
口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)を発生します。

うがいをするだけでは舌苔を取り除くことはできません。
舌ブラシややわらかい歯ブラシで除去することが必要です。

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上記以外の地域からも歯周病治療を希望される患者さんがたくさん来院されています。お気軽にお越しください。